Sustainable Our commitment 2026
Foreword はじめに 1 Double Materiality 二つの視点でとらえる、重要課題 6 Environmental Charter 環境憲章 9 Made in Local 現地生産へのこだわり 18 Improving CSR at Suppliers サプライヤーにおける社会・環境監査の実施 10 Circularity 循環させる 24 Solidarity 社会貢献 32 Tara Océan タラ オセアン 海洋環境を守る 44 Timeline アニエスベーのこれまでとこれから 3 Supplier Ethical Charter サプライヤー倫理憲章 8 Decarbonization 脱炭素化 12 Waste Reduction 廃棄物を減らす 28 Anatomy of a Cardigan カーディガンプレッションを紐解く 30 Microplastics マイクロプラスチック問題 38 このような冊子を初めて発行するにあたり、私 たちの目的は、従来型のCSRレポートを作成する ことにとどまりません。私たちがどのような存在 で、何を行い、どこから来たのかを共有すること。 そして何より、透明性を大切にすることです。強 みだけでなく課題も率直に認めながら、地球、そ の大地や海、そして人々へ還元するためにどのよ うに取り組んでいるのかをお伝えしたいと考えて います。 この姿勢は50年以上にわたりアニエスベーの DNAの一部です。その原点はブランドを創設した アニエス自身の直感、「長く着られる服をつくる」 という考えです。代表例がカーディガンプレッシ ョンで、その耐久性は今日でも確認されています。 もう一つ重要な転機は2003年に始まったタラ プ ロジェクトで、現在のタラ オセアン財団へと発展 しました。海洋研究を通じて、人間活動、とりわ けファッション産業が海洋生態系に与える影響に ついて理解を深める活動を続けています。 しかし今日では、直感だけでは不十分です。現 在、ダブルマテリアリティと呼ばれる考え方のも と、事業が社会や環境に与える影響と、社会・環 境が事業に与える影響の双方を理解しながら取り 組みを進めています。 ファッション産業は、原材料、生産、輸送、販 売、廃棄に至るまで、製品のライフサイクル全体 を通じCO₂排出の大きな要因となっています。ま たナイロンやポリエステルなど化石燃料由来の繊 維によるマイクロファイバー汚染や水・化学物質 の大量使用も、気候変動や生物多様性の損失と深 く関わっています。そのため、たとえ多くがお客 様の目には見えない取り組みでも、脱炭素化への 取り組みは不可欠です。 日本で5,000人を対象に行った最近の調査では ファッション産業の環境への影響を認識していた 人はわずか10%でした。つまり回答者の90%は、 この問題について認識を持っていなかったのです。 私たちはお客様に責任を説くことを目的として いるわけではありません。理解しやすい情報を提 供し、責任あるより良い選択へ向けた歩みをお客 Foreword はじめに 様と共に進めていくこと。それによって人と服、 そしてそこに込められた価値との関係をより深め ることを目指しています。 アニエスベージャパンでは本社、ショップスタ ッフを含む約700名の従業員全員がこの変革に関 わっています。2018年以降、持続可能性を事業の あらゆるレベルに組み込み、本社や店舗の運営も 継続的に改善してきました。 アニエスベーは家族経営の独立した企業で世界 のファッション業界の中では小さな存在といえま すが、その独立性と独自のやり方を大切にしてい ます。倫理憲章および環境憲章の公表、サプライ ヤー監査の実施に続き2024年には初めてCO₂排出 量を算出しました。アニエスベーの製品が使用す る素材の約80%は天然繊維で、業界内では比較的 前向きな状況ですが、まだ改善の余地があります。 現在は2023年比で2030年までにCO₂排出量を20% 削減することを目標に、指針として脱炭素化に向 けた10の取り組みを定めています。 また、廃棄物削減とトレーサビリティ、循環型 の仕組み化も重要です。さらにゼロ・プラスチッ ク方針の実現にも取り組んでいます。ただし広く 推奨される解決策の一部があくまで過渡的なもの であることも認識し、例えば現在バッグ製品の一 部にリサイクルナイロンを採用していますが、長 期的にはより持続可能な代替素材を見つけること を目標としています。 環境規制については国際的な最高基準を満たす ことも目指しています。特に欧州のREACH規則へ の適合を進めるとともに、製品にPFASおよび同様 の物質を含まないことの保証を目標としています。 タラ オセアン財団は長年、私たちの環境コミッ トメントの支柱で、20年以上にわたる科学ミッシ ョンを通じた知見の提供がアニエスベーのサステ ナビリティへのアプローチに今もなおインスピレ ーションを与え続けています。さらにアニエスベ ー財団・基金もまた、芸術や社会的活動を支援す る重要な取り組みの一つです。 この冊子のレポートは、透明性をもって共有し ていく旅の出発点です。 アニエスベーの目標はシンプルです。 一歩ずつ、より良い企業になること。 アニエスベージャパン株式会社 代表取締役社長 ローラン パトゥイエ Our Voices スタッフの声 52 Content b. Sustainable
1975 アニエスべー創業 翌年、パリに 1号店オープン 1983 アニエスベー 日本上陸 2003 タラ号プロジェクト開始 1979 カーディガンプレッション 誕生 1998 HIV/エイズとの 闘いを支援する 赤いスカーフ 販売開始 2009 アニエスベー 財団・基金設立 2016 タラ オセアン ジャパン設立 2018 東京にアニエスベー ギャラリー ブティック オープン 2019 ジャパン社内で グリーン委員会設立 1985 メイドインジャパン 商品の生産開始 1995 日本での コンドーム 無料配布開始 1993 フランスでの コンドーム 無料配布開始 サラエボ支援開始 「誰がマイクロ プラスチックを食べて いるの?」展開催 ヴィンテージ 回収ボックス 設置店が51店に 祇園店オープン、 店内に初の ヴィンテージショップ常設 2020 渋谷店で再生可能 エネルギー使用開始 アニエスベー倫理 憲章の制定 Tara JAMBIO マイクロプラスチック 共同調査開始 強制労働不使用宣言 パリに美術館 「La Fab.」をオープン ジャパン社、 環境に配慮した 新オフィスに移転 Give Back to the People Timeline 現代アートギャラリー ギャラリー デュ ジュールが オープン 1984 目標:温室効果ガス 20%削減 (2023年比) 2021 日本国内で ヴィンテージ回収 プロジェクト開始 アニエスベー 環境憲章を制定 映画「マイクロプラスチック・ ストーリー ~ぼくらが作る2050年~」 日本語吹き替え版製作 社会・環境監査を 実施するICSに加入 GOTSをフランス 本社が取得 タラオセアン財団が 大阪・関西万博で 展示開催 タラ極地 ステーションが完成 2022 2023 2025 2024 2030 2026 カーボンフットプリントの 計算開始 タラ号来日 タラ極地ステーションの 探査プロジェクト開始 社会・環境監査の 開始 アニエスベーのこれまでとこれから Give Back to the Planet ヴィンテージショップ 常設店が3店舗に
企業と社会・環境、それぞれが 与える影響を客観的に評価 ファッションは、喜びや自由、自己表現をもたらす 存在です。 一方で、気候変動や資源の枯渇、サプライ チェーンにおける労働環境や人権問題など、環境・社 会への影響も抱えています。美しいものを生み出す産 業であるからこそ、 その背景にある影響にも目を向け る必要があります。 アニエスベーは創業以来、「長く着られる服をつく る」ことを大切にしてきました。流行とともに消費さ れるのではなく、人生に寄り添う服であること。その 姿勢をこれからも守り続けるために、私たちはあらた めて、自分たちの影響を見つめ直しています。 ブランドとして大切にしてきた価値観をこれからも 守り続けるために、環境や社会、そして事業のあり方 (ガバナンス)そのものについて、あらためて見つめ直 す取り組みを行っています。 その一環として、2024年より、EUのCSRD(企業サス テナビリティ報告指令)に基づいた「ダブルマテリアリ ティ」の考え方を取り入れることで、私たちの事業が 社会や環境にどのような影響を与えているのか、また、 どのようなリスクや機会につながっているのかを整理 しました。 ダブルマテリアリティという考え方 ダブルマテリアリティとは、企業の重要課題を二つ の視点から整理する考え方です。 経て、具体的な取り組みへとつなげていきます。 特に重要と考えているテーマ [環境] 気候変動への対応、原材料の選定、循環型の ものづくり。アニエスベーの事業がもたらす環境負荷 の多くが原材料に由来していることも踏まえながら、 あらゆる分野におけるCO₂排出量の削減、環境に配慮 した素材選び、長く着られるものづくり、修理やユー ズド製品の回収や再販売など、「作った後にも続いて いく」仕組みをさらに強化します。 [社会] 服をつくる人、届ける人、着る人。すべての 人が尊重される関係性を築くこと。従業員の働く環境 に加え、サプライチェーンにおける労働環境や人権へ の配慮、そしてお客様への誠実な情報提供を重視して います。特に、生産の上流にあたるサプライヤーにつ いて段階的に理解を深めながら、より良い関係へと向 けた取り組みを継続しています。 [ガバナンス] 誠実な事業運営とコンプライアンス、 そして動物福祉への配慮。ブランドとしての信頼は、 日々の小さな選択の積み重ねから生まれると考えてい ます。社内の一体感を高める活動を行っていくことで も、長期的なブランド価値の向上につながると考えて います。 私たちの事業が社会や環境に与える影響 (インパクト) 2 社会や環境の変化が私たちの事業に与える影響 (リスク・機会) この両方を理解することで、責任とサステナビリテ ィを同時に考えます。原材料の調達から製造、販売、使 用、そしてその先まで、服の一生に寄り添う視点で整 理を行いました。 環境や社会への影響の大きさ、影響が及ぶ範囲、将 来にわたるリスクや機会といった観点から項目ごとに 評価を行い、私たちにとって特に重要と考えるテーマ を挙げました。このプロセスは、単にレポートの作業 ではなく、これからのブランドのあり方や、長期的な 事業の方向性を考えるための土台となるものです。評 価結果は今後、経営層での議論や第三者による確認を 1 これからに向けて 今後は、今回整理した重要課題について、具体的な 目標や指標を定め、取り組みをさらに進めていきます。 また、社内外のステークホルダーとの対話を通じて内 容を深めながら、2028年のCSRDに沿ったサステナビ リティレポートの発行に向けて、準備を進めていく予 定です。 アニエスベーはこれからも、創業以来大切にしてき た価値観を持ち続け、ものづくりを通じて社会や環境 と向き合い、長く愛されるブランドであり続けること を目指していきます。 Double Materiality 二つの視点でとらえる、重要課題 私たちの 事業 社会・環境 例: 生産や輸送などにおけるCO₂排出、水資源の使用、マイクロプラ スチック排出、過剰在庫や廃棄、動物福祉問題、サプライチェー ンでの労働環境、地域コミュニティへの影響 例: 市場や消費者動向の変化、信頼強化によるブランド価値向上、新 規に取り入れる素材や事業、従業員エンゲージメント向上などの 機会 気候変動によるリスク(原材料不作や価格高騰、水不足、エネル ギー価格上昇)、法的規制や制度によるリスク 影響を与える(インパクト) 1 影響を受ける(リスク・機会) 2 < 07 b. Sustainable 06 Double Materiality
アニエスベーのサステナビリティ・アプローチの中心にあるのは「倫 理」です。私たちは、人権、労働基準、環境、動物福祉を尊重した責任 あるものづくりを推進しながら、すべてのパートナーと信頼関係を築く ことを約束します。この倫理憲章は、すべてのサプライヤーと請負業者 が守るべき基本原則の概要を示しています。 アニエスベーでは、洋服の生産が環境に大きな負荷を与えているとい う事実を常に意識してきました。そして、環境負荷を抑える努力を創業 以来続けています。環境憲章は、そのための行動指針を具体的に示した もので、アニエスベーに関わるすべてのスタッフに向けられています。 Our Principles Human Rights and Occupational Safety Environmental and Animal Conservation 私たちの原則 人権と安全な労働環境 環境と動物の保全 *ILOや国連が定めたような国際基準に基づ き、私たちは強力な社会的・環境的責任を 支持します。 *定期的な監査を実施し、問題が発生した場 合は是正措置を求めます。 *私たちは高い透明性、説明責任、不正防止 への取り組み、環境と地域社会への強いコ ミットメントを求めます。 *これらの原則は、直接のサプライヤーだけ でなく、請負業者にも適用されます。 *すべての労働者に対する公正・尊厳・安全 の確保 *児童労働・強制労働の禁止 *差別やハラスメントの禁止 *結社の自由と団体交渉の尊重 *休息日と有給休暇を伴う合理的な労働時間 *法定最低賃金を上回る適正賃金 *適切なリスク管理を伴う安全で健康的な労 働条件 *ファッションは地球と調和しなければなら ない *エネルギーの使用、温室効果ガスの排出、 輸送による影響の削減 *責任ある水の使用 *廃棄物と化学薬品の正しい管理 *危険な化学物質の使用を最小限に抑える *環境事故を防止 *動物福祉-残酷行為や虐待の禁止 Our Commitment 私たちのコミットメント *この倫理憲章は、責任ある生産に対する私 たちの共通のコミットメントです。 *私たちはパートナーとともに、より持続可 能で美しい未来を築くために、誠実さと透 明性をもって取り組みます。 --------------- --------------- --------------- --------- 1 長く着続けられる 服づくり アニエスベーの洋服は、流行に左右されないデ ザインです。着るほどに味わいが増し、修理も しながら長く着ることを前提につくられていま す。在庫や余剰素材も回収や再利用を行い、何 一つ無駄にはしません。 2 信頼できる パートナーシップ 原産地や現地の技術を尊重し、アニエスベーは 価値観を共有するサプライヤーとともにものづ くりを行います。多くはフランスをはじめとする ヨーロッパや日本など、地域に根ざした信頼で きるサプライヤーのもとで生産されています。 3 天然素材を中心に 洋服の生産工程などが環境に与える影響に配慮 し、製品の80%以上で再生可能な生物資源であ るコットンやリネンなどの天然繊維を使用して います。 4 海を守るため、 プラスチックを使用しない 海洋環境を調査するタラ オセアン財団に知識 を得ながら、プラスチック使用を最小限に抑え る取り組みを実施。ショップの什器や包装資材 も、リサイクル可能・再利用可能な素材を優先 して使用しています。 5 エネルギー消費の 削減 サプライチェーンから生産、販売に至るまでの カーボンフットプリント削減に向け、エネルギ ー使用量の低減に取り組んでいます。物流や水 資源の管理も含め、あらゆる工程で効率化を図 り、環境負荷の最小化を目指しています。 6 こだわりのショップ 古い精肉店を改装したパリ1号店のように、ア ニエスベーの店舗づくりは空間の再生から始ま ります。その姿勢は変わらず、既存の内装を活 かした改装や、石油由来ではない廃材や木材、 メタルなどを什器や備品に取り入れています。 7 廃棄を生まず、 資源を循環させる 修理不可能な不良品を除き、商品廃棄は行いま せん。適正な生産や不良発生の原因分析を続け ることで、廃棄ゼロへ目指しています。また回 収プロジェクトやヴィンテージショップ、アー カイブ販売もその一環として行われています。 8 支援と連帯 アニエスベーは30年以上にわたり、売上の一部 が支援につながるプロダクトを制作し、大切に している社会的・文化的活動や環境保全活動を 支えています。 9 社員一人一人の参加と コミットメント アニエスベーでは全てのスタッフが企業活動に おいて、また日常生活においても、環境保護や 社会貢献へコミットメントし、アクションを起 こすことが求められています。 Supplier Ethical Charter サプライヤー倫理憲章 Environmental Charter 環境憲章 b. Sustainable < 09 08 Supplier Ethical Charter / Environmental Charter
第三者機関による監査で 透明性を確保 2021年、アニエスベーはサステナビリティ評価を行う第三者機関 Initiative for Compliance and Sustainability (ICS) に加入しました。こ の機関は、サプライチェーンの透明性確保、労働条件の改善、環境 への影響最小化を目的とし、「ICS行動規範」に基づき、サプライヤ ーの工場を監査・評価します。双方にメリットがある仕組みです。 供給元にとっては、ICSが共通の評価基準で監査を行うため、公平性 が担保されます。工場にとっても以下のようなメリットがあります。 工場にとってのメリット ・現場の安全環境や人権遵守が認められる ・改善すべきポイントが明確になる ・自社サイトに掲載することで信頼性がさらに向上する 今後の取り組み 2021年に開始したICSによる監査は、2026年には対象工場の90% で実施する予定です。さらに、監査対象の工場を拡大し、サプライ チェーンのtier 2にあたる企業(例:材料調達)にも対象を広げてい く計画です。 強制労働不使用宣言書 直接取引のあるすべての生産パートナーから署名を取得しており、 右に宣言書の見本と、明記されている内容を示しています。 ・強制労働を伴う完成品、生地、原材料は使用し ていません。 ・ASPIの報告書内リストに挙げられた41の工場 や関連会社との取引はありません。 アニエス・トゥルブレは 「I Hate Fast Fashion(ファストファッションが嫌い)」と公言し 大量生産がもたらす衣類の廃棄問題 生産工程における環境への影響 人権を軽視した物づくりに警鐘を鳴らし続けています。 そして、このファッション業界における「闇」に染まることなく タイムレスなデザインとサステナブルな取り組み 倫理的な生産を重視する道を選んできました。 今、私たちができるのは、現状の課題を知り、問題意識を持ち 行動すること。一人一人のアクションで 地球、そしてファッションの未来は変えられるのです。 Improving CSR at suppliers サプライヤーにおける社会・環境監査の実施 b. Sustainable
Decarboniza tion 脱炭素化 温室効果ガスとは、二酸化炭素(CO₂)をはじめ、メ タン、一酸化二窒素、フロン類など、大気中の地球を 保温するガスのことです。本来の役割は地球を適度な 温度に保つことですが、化石燃料の燃焼、森林破壊、産 業活動などで過剰に増え、地球温暖化など気候変動の 主因となっています。 アパレル産業においても温室効果ガスの削減は急務 となっており、アニエスベーでも現状を客観的に把握 し、削減目標を立て、実行に移す戦略を実施していま す。次にあげる10の戦略により、2030年までに温室効 果ガスの排出を2023年比で20%削減を目指します。 6 削減対象の拡大 マーケティング、ポップアップ、店舗の 開閉店に伴う排出量の約20%の削減が 目標。店舗什器はリサイクル可能な素材 を活用、販促物、飲食物などでも廃棄を 削減、リサイクル素材を取り入れます。 7 循環型資源活用の 推進 温室効果ガスの排出計算外の納品用ハン ガーやプラスチックなどの廃棄物削減を 継続しています。廃棄せずに再利用する 循環システムを導入、リユース率が94% に上昇。今後はハンガー利用自体の削減 を推進します。 8 経済的持続性の 確保 2030年までに20%削減を目標とした脱炭 素化計画がファイナンスの観点からも裏 付けられ、必要なリソースが継続して確 保できる戦略を策定します。 9 柔軟な目標更新 目標は常に見直しながら、新たな法的要 件や社会的影響、環境問題などに対応し、 それによる意識の変化に合わせて改善を 続けます。 10 コミュニケーションの 透明性 戦略を明文化し、曖昧さをなくし、透明 性を確保し、社内外に共通理解を浸透さ せます。アニエスベー環境憲章、サプラ イヤー倫理憲章にて明確化、サプライヤ ーにも宣誓書への署名を依頼します。 3 環境・社会に配慮した 取引先との連携 取引先の全てのサプライヤーで脱炭素化 計画を持ち、再生可能エネルギーを活用 する状態が目標。現状は全てで推進され ているわけではないので、エネルギー使 用量削減を呼びかけるなどしています。 5 輸送とサプライチェーンの 排出削減 物流及びサプライチェーンの上流・下流 の排出量に対応。一部では第三者機関 ICSの監査で厳しく評価。空輸を減らし、 船便を増やすなど、製造から販売の過程 での運送方法の見直しと改善を行います。 2 脱炭素化を組み込んだ 製品戦略 商品の開発→デザイン→生産の各フェー ズにCO₂排出量削減を取り入れた製品戦 略を実施。しかしながら、それが反映で きているのは全体の半数。全ての製品に 適用できる製品戦略を行うのが急務です。 4 運営にかかわる 排出削減 オフィス、店舗、倉庫、外部委託業務に おける排出量を追跡、削減する。オフィ スと一部店舗では100%再生可能エネル ギーを使用しています。 1 素材由来の 排出削減 CO₂排出量の多くが製品の原材料に関連 することから、コットンやリネンなど環 境負荷が低い天然素材を優先して使用。 ナイロンやポリエステル、ウールは、リ サイクル素材の導入に注力します。 66% 14%18,159 t-CO₂e 9% 4% 20 % 温室効果ガス排出量を 2030年までに (2023年度比) 2023年の日本の 温室効果ガス 排出量 脱炭素のために 取り組んでいる のこと 10 原材料・製品の調達 *製品の原料 *紙・梱包材・食品・花などの購入 *小型設備・サービスなどの外部調達 商品の使用段階 *衣料の洗濯・乾燥・ アイロンなど 店舗・建物・設備 *賃借建物 *百貨店・商業施設での 使用電力 4% 人の移動 *社員の通勤 *出張 2% 廃棄 *商品が販売された後の廃棄による排出 *事業活動で出る廃棄物 1% 自社の燃料使用・購入電力 *暖房用ガスなどの燃料使用 *車両(社用車)に使う燃料 *空調設備の冷媒漏れ 商品の輸送 *商品仕入れ時の輸送 *社内物流 *店舗からお客様までの配送 b. Sustainable < 13 Decarbonization 12 削減
Decarbonization脱炭素化 製品の は天然繊維。 生地選びから脱炭素化を アニエスベーでは、製品の80%以上にコットンやリ ネンなどの天然繊維を使用し、ポリエステルなどの合 成繊維は20%以下に抑えています。天然繊維は再生可 能な生物資源であり、化石資源由来の素材への依存を 減らすことができます。そのため、原料調達から製造、 使用までライフサイクル全体での温室効果ガス排出削 減にもつながります。また、合成繊維の使用を抑える ことは、洗濯や着用の際に発生し、環境や私たちの健 康への影響が懸念されるマイクロファイバー(マイク ロプラスチックの一種)の排出を減らすことにもつな がると考えています。 80% コレクションラインでは 9割が綿製品に [ ] コットン 91.72% コットン 91.69% [ ] [ ] GOTS認証、オーガニック、通常のコットンの違い アニエスベーの各ラインにおける、2025年春夏・秋冬シーズン 合計の使用素材の割合を示したグラフ。コレクションライン(ウ ィメンズ、メンズ、キッズ)では、天然繊維である綿素材が全体 の約9割を占めています。一方、バッグラインではナイロンや ポリエステルなどの合成繊維の使用が多く、ライン構成の影響 から、全体では天然繊維の割合は約80%。バッグラインでも、リ サイクル素材の導入や代替素材の検討を進めています。 対象期間:2025年 通常のコットン *化学肥料や農薬を使用 するため、土壌汚染や 健康被害をもたらす場 合がある *水の使用量が多く、生 態系や地域の人々の暮 らしに悪影響を及ぼす 場合も *一部地域では、低賃金 ・長時間労働の強制が 問題になっている *一部地域では、家計を 助けるため子供の労働 力に頼る場合がある --------------------------------------- --------------------------------------- ---------------------- 適正な 労働条件で 作られている 児童労働・ 強制労働 がない 温室効果 ガスの 排出量が 少ない 水の 使用量が 少ない 生産者や 地域住民の 健康被害が 少ない 土・水・空気 への負荷が 少ない 生物 多様性を 守る PFAS(パーフルオロアルキル化合物)とは、水や油 をはじく性質をもつ耐久性のある化学物質の総称 です。自然環境で分解されにくく、健康や生態系 への影響が懸念されています。REACHは、欧州連 合(EU)で化学物質の安全性を守るための規則で、 危険な物質の使用や流通に厳しい制限が設けられ ています。日本の基準と比べても対象範囲や規制 レベルが広く、より厳しい安全基準とされていま す。アニエスベーでは、PFASやREACH対象物質が 製品に含まれないよう、素材の選定や製造工程の 管理に取り組んでいます。さらに、日本の法規制 に基づく、ホルムアルデヒド検査などの化学物質 安全基準にも対応し、国内外の安全基準を満たす 製品づくりを行っています。これらの取り組みを 通じて、安全で環境に配慮した製品をお客様に届 けることを目指しています。 製造工程における 化学物質の使用を厳しく制限 -------- ------------------------ ---------------------- ------------------- Chemical Control Column ---------------------- リネン 3.52% トリアセテート 2.81% 化学繊維 1.02% その他 3.88% 化学繊維 4.44% 金属類 4.02% 牛床革 3.57% 植物由来 1.48% その他 2.82% ウール、その他 0.93% 牛革 38.94% 化学繊維 37.26% コットン 11.90% [ アニエスベーにおける主要な素材の現状 ] 一般的にオーガニックコットンとは、農薬や化 学肥料を3年以上使っていない畑で育てられた ものを指します。アニエスベーでは、これに加 え、原料の栽培から製品化までの全工程で環境 面・社会面の国際基準を満たすGOTS認証を取 得したものだけをオーガニックコットンと呼ん でいます。フランス本国では、一部の商品に GOTS認証(ライセンス番号00251251)を取得した オーガニックコットンを使用。日本でも現在認 証取得に向けた申請を進めており2026年に取 得予定です。2030年までに、使用するすべての オーガニックコットンをGOTS認証にすること を目指しています。 Cotton 2030年までに 環境的・社会的に 配慮されたGOTS認証に GOTS (Global Organic Textile Standard) コットン、ウール、麻、絹など のオーガニック繊維を使用した テキスタイルの世界的な加工基 準。原料の栽培から流通までの 全工程で環境への配慮と安全な 労働環境を厳格に認定。日本で も申請中(2026年取得予定)。 [ オーガニック繊維の 認証機関 [ Better or Sustainable Materials GOTS認証コットン オーガニックコットン b. Sustainable < 15 Decarbonization 14 コレ クション(レディス、メンズ) キッズライン バッグライン
…デザインするとき、私は人生について考えるんです ブランド設立当初から積極的に使 っているリネンは、環境的にも経 済的にも多くのメリットを持つ天 然素材です。栽培に農薬を使わず、 水の使用も従来のコットンの5分 の1程度。また、植物のほとんど の部分を活用でき、無駄がありま せん。アニエスベーのリネン製品 の多くは、ヨーロッパで栽培され た最高品質の亜麻長繊維を使用し、 トレーサビリティを確保。また例 外的な理由を除いて畑では灌漑は 行わず、遺伝子組み換え作物も使 用しません。環境に配慮した農業 によって生産されています。 Linen 環境負荷が少なく 持続可能なリネンを 積極的に活用 アニエスベーのレザー製品で使われる皮革は、 食肉の副産物として得られたものだけです。一 部の製品では、排水処理、大気汚染防止、化学 物質の安全性などの厳格な国際的環境基準をク リアしたLWG認証を取得した工場で加工された レザーを使用し、環境、動物、人に配慮してい ます。現在、LWG認証のレザーを使った商品の 割合は88.02%ですが、2030年には100%を目指 しています。また、アニエスベーとしてもLWG認 証の取得を目指し、手続きを進めています。 Leather アニエスベーのレザーは 食肉の副産物だけ Masters of FLAX FIBRE 西ヨーロッパで持続 可能な環境に優しい 農法で栽培。地域農 家の技術をサポート し、追跡可能な高品 質リネンであること を保証する認証制度。 Masters of LINEN 原材料の栽培から紡 績、製織、加工の全 てがヨーロッパで行 われるという厳しい 基準をクリアしたこ とを示す品質証明。 LWG認証取得済み サプライヤー 「ChunWang Brothers」 ---------- ------------------- ------------------- サステナブルな素材調達を 進める中で、大切なパート ナーの一つであるタンナー の「Chun Wang Brothers」。 すでにLWGのゴールド認証 を取得しており、環境管理 や化学物質の適切な使用な ど、国際的な基準に基づい た取り組みを実施。また、 PFASなどの有害な化学物質 を使用せず、CO₂排出を抑え た革づくりにも取り組んで います。 Leather Working Group 皮革業界の持続可能性向上と環 境保護を目指す国際的な非営利 団体。製造時の排水処理やエネ ルギー使用量などを審査。 [ 欧州におけるレザー素材の認証機関 [ [ 欧州における リネン素材の認証機関 [ Decarbonization Better or Sustainable Materials 脱炭素化 b. Sustainable < 17 Decarbonization 16
Calais Fougères Vendrennes Les Herbiers La Ferriere Moncoutant Moliens Buxy Ravenel Paris Argentré La Boissière-deMontaigu Troyes Chatillon sur Thouet Limoges La Regrippière Sèvremoine Château-Renault Caussade Oloron-Sainte-Marie Perpignan MontredonLabessonnié Valence Romans-Sur-Isère Les Villettes Beaupreau ブランドを象徴する アイテムは創業以来、 同じ国内の工場で生産 カーディガンプレッションやベレー帽など、 アイコニックなアイテムの多くは、創業当 初から同じフランスの工場で生産。各地の 産業や労働者の保護にもつながっています。 北海道 網走 山形 鶴岡 石川 羽咋 福井 芦原 兵庫 たつの 島根 安来 島根 奥出雲 広島 福山 熊本 荒尾 岡山 児島 三重 伊賀 岐阜 大垣 愛知 一宮・津島 秋田 鹿角 群馬 太田 茨城 石岡 埼玉 三郷など 東京 台東・葛飾 群馬 桐生 1 2 3 岐阜 大垣/株式会社艶金 カーディガンプレッションの染色 1889年創業という長い歴史で培われた高い技 術力、そして積極的に最新機器も導入し、環境 に配慮する先進性が艶金の魅力です。莫大なエ ネルギーと水を必要とする染色過程では、素材 に合わせた省エネルギー型ハイブリッド染色機、 バイオマスボイラーを使うことで二酸化炭素排 出量を削減。また、事業開業当初から高度な排 水処理設備を自社内に有しており、廃水をきれ いな水に戻してから排出しています。2021年に は日本の染色会社として初めて温室効果ガス排 出削減目標のScience Based Targets (SBC)認証 を取得。 2 島根 安来/株式会社島根ナカムラ ボーダーTシャツの縫製 島根県の無形文化財に指定される「広瀬がすり」 の街である島根県安来市にあり、約200年前の 織物と染色の技術継承を進める縫製工場の「ナ カムラ」。ここで作られるボーダーTシャツは、 手作業で色柄や左右の肩の接ぎ目が合うように 丁寧に裁断。縫製工程では柄合わせや左右対称 かを入念に確認していきます。また、安全面に も細心の注意を払い、ミシン針がまれに折れた 場合には作業を中断し、折れた針の破片を探し て完全に復元させ、その環境にある製品も検針 機に3回通し、安全を確認してから作業を再開 させます。 3 山形 鶴岡/ユニオン 布帛・軽衣料の縫製 ブラウス、スカート、ワンピースなど女性用衣 類の布帛・軽衣料を多く生産。中でもアニエス ベーのブラックスタイルの定番生地でありなが らも取り扱いが難しいジョーゼットの縫製を得 意としています。各工程で針や糸調子を常に確 認、アイロンがけも温度やスチームの細やかな 調整が必要ですが、長年培われた技術で丁寧に 仕上げています。パターンはデータで管理し、 最も効率的な組み合わせを計算して裁断し、裁 断くずの削減にも貢献。また針や異物混入しな いよう、徹底した安全管理体制を敷いています。 1 メイド イン ジャパンを 支えるサプライヤーたち 北は北海道の網走から南は熊本の荒尾まで、59にのぼる生産者 たちがアニエスベーの商品に命を吹き込んでいます。アニエス ベーが培ってきた高い品質と長く使えるタイムレスなデザイン は、彼らの持つ高い技術力、そして工場の方々の顔が見える、丁 寧なものづくりに支えられています。 Made in Local 現地生産へのこだわり 1975年のブランド設立以来、「Made in Local」の考え 方を大切にしてきました。アニエス自身も「2010年9 月、特定の製品に“Made in France”のラベルを貼る ことを決めました。産業が活気を維持し、疲弊させな いことが重要です。また、フランス文化の名声を海外 に広める手段でもあります」と語っています。 コレクションライン全体で見ると、フランスをはじ めとするヨーロッパ製が約72%。長年信頼関係を築い てきた工場とともに、技術や背景を共有しながらもの づくりを行っています。 また、日本のクラフトマンシップから強いインスピレ ーションを受け、1983年のブランド上陸以来日本の地 域に根ざした工場との協業も続けています。生産者と の明確な関係性のもと、卓越した技術力、丁寧で敬意 を持ったものづくりへのコミットメントにより、高品 質かつ時代を超越したデザインが生み出されています。 カーディガン プレッション ジャージー (Tシャツなど) 布帛 バッグ・革小物 ジーンズ ビジュー 帽子・手袋 b. Sustainable < 19 Decarbonization 18 Made in Local
Decarbonization脱炭素化 環境配慮と ウェルビーイングを両立する サステナブルなオフィス アニエスベージャパンは2022年に新オフィスをオ ープン。環境負荷を抑えることと、働くスタッフのウ ェルビーイングの両立を目指し、空間設計から素材選 定、運用に至るまでサステナビリティの視点を取り入 れました。既存資材の再活用などを通じ、持続可能で 心地よい働き方を支えるオフィスづくりをしています。 3 社員のウェルビーイングと 柔軟な働き方 自然光を取り入れたレイアウトに、コミュニケーションを促 す共有スペース、オフィスの中心に出入り自由なアトリエを 配置し協働と対話を促進しています。ガーデンスペースにも Wi-Fiを完備するなど、働く人の健やかさと創造性にもサステ ナビリティが向けられています。 5 コミュニケーションハブとしての 社会的価値 オフィスは単なる業務空間ではなく、チームや部署を越え、 サプライヤーやパートナーも巻き込みながら対話を生む場で もあります。アートの展示や、イベント開催などで社内外の コミュニティ形成を促進しています。 1100%再生可能エネルギー使用 オフィスでは運営に伴うCO₂排出量を削減するため、太陽光 や風力など、継続的に再生可能な自然由来のエネルギーを使 用しています。環境配慮を特別な取り組みではなく、日々の 業務の延長線上に位置づけています。 -------- ---------- --------- 2 環境に配慮した空間設計 既存資材の再活用や環境負荷の少ない素材選定を重視して、 プラスチック素材を避け、木材やメタルなど自然の素材を使 用しています。床材は廃材の木片からリサイクルされたパー ティクルボードです。家具や電化製品は前オフィスから引き 継いだり、店舗で使用していたものやリユース品を取り入れ ています。 ---------- 4 ブランドDNAと サステナビリティの融合 アニエスベーが創業以来大切にしてきた、タイムレスで誠実 なものづくりの姿勢は、オフィスづくりにも反映されていま す。内装はパリの1号店を参考にするなど、流行に左右され ないデザインや透明性、無駄を生まない思想といったブラン ドの哲学そのものが息づいています。 ---------- 6 オフィス家具も環境に配慮し、 積極的に再利用 スタッフ全員が日常的に資源の再利用を意識。オフィス内に は自動販売機はもちろん、ペットボトル用のゴミ箱も置かれ ておらず、マイボトル利用が自然と根付き、プラスチックに 頼らない環境ができています。こうした姿勢は来訪者との会 話のきっかけにもなり、取り組みの輪が広がっています。 ---------- ©DAISUKE SHIMA In Office < 21 Decarbonization b. Sustainable 20
店舗づくりも什器もリユース、 リサイクルで環境負荷を抑える 日本上陸40周年を記念して2023年にオープンし たアニエスベー祇園。茶屋を丸ごと改装した2階 層の路面店で、建物の構造や既存の状態を生かし、 天井や部屋の障子、畳や中庭まわりの床石や建具、 趣ある外装を含め、歴史ある意匠をできるだけそ のままに、新しい命を吹き込みました。「自然でシ ンプルなもの。そしてプラスチックは使わない」 というこだわりを大切にし、無垢材の床、漆喰を ベースとした天然素材の壁で、ミニマルで心地よ い空間を演出。また、随所に見えてくる梁や柱か らも、重ねてきた時間を感じることができます。 常設店に設置されている什器は、非石油系であり、リサイ クル可能な木製やメタル製がメイン。加えて、木を伐採す ることなく得られる樹皮を原料とし、リサイクルも可能な コルクを使用した什器も積極的に活用し、できる限り森林 を守り、CO₂排出を減らす努力をしています。また什器の 再利用量・リサイクル量を正確に把握し、将来の店舗改装 時の改善に生かす仕組みを構築しています。 廃棄が発生しやすい、期間限定のポップアップイベントの 什器やシーズナル商品のディスプレイにおいても、できる 限りごみを出さない工夫をしています。輸送の際も繰り返 し使用可能な折りたたみ式コンテナを利用し、使い捨て資 材は極力避け、短期イベントであっても廃棄物をほとんど 出さない運営を徹底。また、什器や装飾物も既存品を再活 用するようにしています。 Renovation Recycle Reuse 古民家を改装して生まれた アニエスベー祇園店 什器にはリサイクル可能な 木材、鉄、コルクなどを採用 短期イベントでは輸送でも 店内でも廃棄物を出さない工夫を徹底 アニエスベー祇園店の内装の一部。 木材、石材などをメインとした日 本古来の建築様式を生かした店舗 とフランス生まれのアニエスベー の製品が見事に調和し、唯一無二 の空間を作り出しています 繰り返し使用可能な折りたたみ式コンテ ナは、ディスプレイ用の什器としても利 用。短期イベントでのラックは輸送が容 易なカーボンペーパー(段ボール)製に 古くなり、錆や汚れなどが目立ち、そのままでは店舗に置 くのが難しい家具。それらも廃棄することなく、塗装やラ ッピングを施すことで新たな家具としてよみがえらせ、再 び店舗の什器として使用しています。また、新たに店内に 必要なものを購入する際も、できる限り新品ではなくアン ティークなどから探し、店舗の雰囲気に合わせて作り直し て利用しています。 Remake 古い家具をリメイクして 新たな什器として活用 錆ついてしまった机を、デッドストックのアーカイブ生地などでラッピング。ま ったく違う雰囲気の机として生まれ変わらせ、店舗什器として再利用 アンティークのガラスケースをジュエリーケースに使用 > > 店内に設置されたコルク製のカウンター。メタル製ラックは再利用した 什器を、このタラ オセアンコーナーではタラを象徴するカラーで塗装し て使用 Decarbonization脱炭素化 In Shops アニエスベーでは、新店舗オープンや店舗移転の際の什器は、廃 材やメタル、木材をメインに使用しています。その内訳は平均で木 材が約80%、メタル15%。これは可能な限り退店時の廃棄物やCO₂ の排出量を削減するためです。2025年の店舗移転の際の什器の再利 用率は70%で、修繕やリメイクを行うことで、近隣の店舗や新店舗 で再利用しています。什器入れ替え時の廃棄物は、リユース/リサ イクル率90%達成を目標に掲げ、素材ごとの分解・再資源化が可能 な什器を採用するなど、循環型デザインの取り組みをさらに推進し ています。 また新店舗を作る際は、既存の建物の構造を生かして改装するこ とも。これは、パリの1号店が元は精肉店だった建物をブティック として生まれ変わらせたことから始まる「そこにあるものを生かし ながら新しい価値を作り出す」というアニエスベーの変わらぬ意思 の表れでもあります。 b. Sustainable < 23 Decarbonization 22
環境コストを数値化する、 環境負荷スコア 環境負荷スコアは、製品やブランドの環 境影響を数値化した指標で、スコアが低 いほど環境負荷が少ないことを示します。 評価項目には、商品の寿命、マイクロフ ァイバー排出、EU以外への輸出の有無、 同ブランドで同時に展開できる製品の数、 リペア対応の有無などが含まれます。ス コアはこれらをポイント化して算出され ます。具体例として、オーガニックコッ トンを使用することで、通常のコットン に比べ環境負荷を約40%削減できます。 資源の循環のためにも 情報の公開が必須に 2020年2月にフランスで施行されたAGEC法(Anti-Gaspillage pour une Économie Circulaire)は、循環経済の実現を目的とした法律です。 再利用とリサイクルを促進することで廃棄物の削減と資源循環を目 指し、フランスにおける循環型社会の構築を推進しています。 主な 取り組みとして、(1)使い捨てプラスチックの削減、(2)環境情報 の開示(トレーサビリティの強化)、(3)在庫商品の廃棄禁止、(4)修 理・再利用・リサイクルの推進、(5)拡大生産者責任の強化が挙げ られます。 フランスのアニエスベーでは、こうした法令を順守するため、ま だ義務化されていない段階から環境情報の開示を自主的に開始しま した。第三者機関である「Fairly Made」のウェブサイトに以下の情 報を掲載し、どのように環境に配慮した商品であるかを消費者が確 認して購入できる仕組みとなっています。現在、日本では同様の法 律はありませんが、フランスと同じように環境情報を開示できるよ う、アニエスベージャパンでも準備を進めています。 オーガニックコットンのトップス、通常 のコットンのトップス、そしてファスト ファッションで展開するコットンのトッ プスでは、環境負荷が大きく異なります。 ファストファッションのトップスはオー ガニックコットンの約4倍の環境コスト がかかります。通常のコットンではオー ガニックの約1.6倍です。メーカー側はで きるだけ環境コストの低い製品を作るよ う努力し、消費者は開示されている情報 をしっかり確認して商品を選ぶことが大 切です。 環境コストはどれだけ違うのか? --------------------- ------------ ------------ ------------------------------ Environmental COST impact Column E 気候変動 = 3.8㎏CO₂=乗用車で1 人が34.7㎞移動するの と同じCO₂排出量 F 淡水富栄養化 (水質への影響) = 7.5gP=124.3㎏のリン ゴを工業生産するのと 同じ影響 G 非再生可能エネルギー使用 = 86.3MJ=50㎡の住宅 を29時間暖房するのに 相当 > > [ アニエスベーカーディガンプレッション(オーガニックコットン製)の 製品情報の公開 ] E F G A 素材=オーガニックコットン100% B 取得認証=GOTS (オーガニック繊維製品の世界的な認証基準) C 生産国=フランス (製造、縫製、染色) D 認証詳細 = GOTS認証(ライセン ス番号00251251)を アニエスベー フラ ンスにて取得 A B Circularity 循環させる C D 出典:Fairy Made b. Sustainable < 25 24 Circularity
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